【初心者向け】クラシック音楽のコンサートのマナー完全解説

「クラシック音楽のコンサートってなんとなく怖い」
「マナーが難しそう」
「ちょっとハードルが高くて行きにくい」

クラシック音楽のコンサートには、守るべきマナーが存在します。ところが、すべて事前に知っていれば難しくないことばかりです。

本記事では、クラシック音楽のコンサートを最大限楽しむために知っておくべきマナーを解説します。「これさえ知っていれば怖くない」というような、重要なマナーを網羅しています。

「クラシック音楽のコンサートに興味はあるけど一歩踏み出せない」という方は、ぜひ最後までお読みくださいね。

目次

【これで安心】クラシック音楽コンサートの流れを解説

クラシック音楽コンサートの流れを解説

クラシック音楽のコンサートは、2部もしくは3部制である事が多く、それぞれの部間に休憩を挟みます。全体では約2〜3時間です。

一般的なコンサートの流れ

ホールの管理時間の都合上、コンサートは14時頃開演の「昼公演」と18時頃開演の「夜公演」の場合が多いです。バレエ公演などにおける「マチネ」が昼公演で「ソワレ」が夜公演ですね。

【もう怖くない】クラシック音楽コンサートにおけるマナー10選

「クラシック音楽のコンサートって決まり事が多くて難しそう」「ちょっと怖くて行きにくい」という方も多いのではないでしょうか。

確かに、音楽鑑賞の性質上、どうしても観客ひとり一人が気を遣うべきマナーは存在します。しかし、どれも知りさえすればなんてことないものばかりです。そこで、こちらでは、クラシック音楽コンサートにおけるマナーを解説します。

  1. 服装は基本的になんでもOK
  2. 拍手のタイミングに気をつける
  3. 携帯電話はならないようにする
  4. カバン・荷物は邪魔にならないようにする
  5. プログラムは音が立たないように
  6. 咳やくしゃみは少しだけ気を遣う
  7. 出入りは曲間に
  8. ホール内での飲食は禁止
  9. お子様はお子様向けのコンサートに
  10. 録画・録音は基本NG

この10個さえ知っていれば、コンサートに行くのに何も恐れる必要はありません。基本的には、すべて「周りの人に迷惑をかけない」「余計な音を立てない」につながります。

非常にシンプルなことばかりなので、ぜひ最後まで確認してみてくださいね。

1. 服装は基本的になんでもOK

クラシック音楽のコンサートには、実はドレスコードはありません。服装は基本的になんでもOKです。

周りの人の迷惑にならないよう以下の点に気をつけて、服装を選びましょう。

  • 清潔感のある服装にする
  • シャカシャカと音のなる素材の服は避ける
  • 大きな帽子や高さのある髪型などは避ける

また、コンサートホールは空調が効きすぎていることも多いため、温度調節しやすい服装で行くことをおすすめします。ドレスコードはありませんが、手軽に非日常を楽しむためにも「ちょっといいレストラン」に行くときくらいの服装だと、雰囲気も併せて楽しめます。

2. 拍手のタイミングに気をつける

演奏後の拍手のタイミングについては、以下の2点に気をつけましょう。

  • 拍手は「曲間」にする
  • 演奏が終わった直後にはしない

演奏される楽曲の中には、複数の曲や楽章で構成されているものが存在します。そのような曲の場合、1つずつの曲や楽章が終わった際には拍手をせず、すべて終わったタイミングで拍手をします。

楽曲の流れと拍手のタイミング

「拍手のタイミングがわからない」という場合は、少し予習をしていって最終楽章がどのように終わるのかを調べて行ったり、周りの人の様子を伺ってから拍手をしたりしましょう。

また、演奏は弾き終えた後の響きがホールに消えていく余韻まで楽しみます。そのため、弾き終えてすぐ拍手をしてしまうと、余韻を掻き消すことになり、演奏を最後まで楽しめません。

演奏が終わったら奏者や指揮者が手を下ろすまでは動かず、しばらく余韻を堪能してから拍手をするようにしましょう。

初めてコンサートに行くと、最後の曲が終わった後の拍手の長さに驚くことになるかと思います。奏者に対する感謝を表しながらカーテンコールを楽しむだけではなく、拍手をし続けることでアンコールへの期待を表明することにもなります。

きっと良いアンコールが聴けるので、少し長いと感じるかもしれませんが、拍手は続けてくださいね。

3. 携帯電話はならないようにする

途中で携帯電話が鳴ってしまうとせっかくの演奏が台無しになります。ホールでもアナウンスがあるものの、自分でも最新の注意を払いましょう。

「鳴らないかな」と不安のまま演奏を聞いても落ち着かないので、電源を切っておくのがおすすめです。

4. カバン・荷物は邪魔にならないようにする

大きな荷物は、開演前に「クローク」に預けておきましょう。自分の座席には手荷物のみを持ち込むのが理想です。

手荷物は音が鳴らないよう、安定した置き方をしましょう。膝の上に置いても良いですが、素材によっては擦れた時の音が気になる場合もあるので、足元においてしまうのがおすすめです。

カバンの中にビニール袋などを入れている場合は、中で音が鳴ってしまうことにも注意してくださいね。

5. プログラムは音が立たないように

クラシック音楽のコンサートでは、入り口でコンサートのプログラムに加えて、他の公演のビラやイベントのチラシなどが渡されます。

紙の束なので、演奏中に膝の上に置いておくと、何かのはずみでバサバサと下に落ちてしまう可能性があります。そのため、見にきた演奏会のプログラム以外は演奏前に鞄にしまっておくと良いでしょう。

プログラムは演奏中に見ると、ページを捲る音が雑音になる可能性があるため、基本的には休憩中に見るのがおすすめです。筆者は楽曲解説のページを開いておいて、目だけ動かす、などはします。

6. 咳やくしゃみは少しだけ気を遣う

咳やくしゃみは生理現象なので、過度に我慢する必要はありません。ただ、やはり大きな音で何度もすると、周りの人の集中を妨げてしまう恐れがあります。

咳やくしゃみがでそうな時は、ハンカチを演奏前に出しておき、口元を押さえながらすることで音を小さくできます。

7. 出入りは曲間に

曲中のホールの出入りは基本的にできないと考えてください。やむを得ない事情で曲中にホールをでた場合、戻って来れるのは次の曲が始まるタイミングです。

そのため、トイレは必ず開演前や休憩中に済ませておきましょう。

8. ホール内での飲食は禁止

基本的にホール内での飲食は禁止されています。飲食は休憩中にロビーで行うようにしましょう。

大きなホールでのコンサートの場合は、休憩中に軽食やアルコールの販売などが行われていることもあるので、ぜひ楽しんでくださいね。

9. お子様はお子様向けのコンサートに

お子様にクラシック音楽を聞かせたい、という方も多いかもしれませんが、通常のクラシック音楽コンサートの場合、小学校低学年くらいのお子様が集中して聞くのは難しいです。

長時間静かにじっとしていなければいけないので、保護者の方も気を遣うでしょう。お子様自身も、周りの人も楽しめるように、小さなお子様を対象としたファミリーコンサートなどに行くのがおすすめです。

コンサートによっては親子席や託児所を備えている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

10. 録画・録音は基本NG

コンサートにおける演奏の録画録音は基本的にNGです。生音でしか得られないエネルギーがあるので、ぜひ集中して聞いてくださいね。

コンサートによっては、カーテンコールやアンコールのみ撮影やSNS投稿がOKな場合もあるので、主催者の説明をよく聞いて対応しましょう。

【Q&A】クラシック音楽コンサートにおける不安を解決

クラシック音楽コンサートにおける不安を解決

「それでもまだちょっと不安」という方のために、こちらではよくある不安をQ&A形式で解説していきます。

基本的には思うままに、各個人の楽しみ方をすれば良いので、安心してくださいね。詳しく確認していきましょう。

1. どれくらい前に到着すべき?

開演の20〜30分前がおすすめです。

コンサートホールは駅から少し距離があったり、入り口がわかりにくかったりする場合もあるので、最寄駅にはもう少し余裕を持って到着するようにしましょう。会場に到着したらトイレを済ませ、自身の席の場所を確認してプログラムなどに目を通して待ちます。

あまりに早く到着しても退屈になってしまう可能性もあるので、開場時間ぴったりに行く必要はありません。

2. 演奏中に寝てしまいそう

座り心地の良い椅子、暗い空間、素敵な音楽…と良質な睡眠が取れる環境が整っているので、眠くなってしまうのは当たり前です。クラシック好きな人でも、様々な要因が重なると眠くなってしまうことがあります。

とはいえ、せっかくコンサートに行くので、眠くならずに演奏を楽しみたいですよね。以下のような対策がおすすめです。

  • 演奏曲の予習をしておく
  • 睡眠は十分にとっておく
  • カフェインをとっておく

わからない曲だと「退屈だな」と感じやすくなります。楽曲解説に軽く目を通したり、何かをしながらYouTubeで曲を聞いてみたり、少しでも予習をしておくのがおすすめです。

カフェイン摂取は、トイレが近くなる可能性がある点に注意してくださいね。

3. 演奏する曲を全然知らないけど大丈夫?

全然知らない曲でもぜひ聴きに行ってください。

ただ、偶然の出会いを期待していく、といった楽しみ方もありますが、コンサートに慣れていない方であれば多少予習をしていくのがおすすめです。

クラシック音楽は複雑な歴史の文脈の上に成り立つ音楽です。少しでも前提知識があると、音楽から汲み取れる情報量は多くなります。

4. なんとなく周りの人が怖そう

クラシック音楽には「堅苦しい」「高尚」といったステレオタイプがあり、コンサートに行くような人にも同じようなイメージを抱いている方が多いようです。

実際はそんなことはないので心配しないでくださいね。演奏を聴くことを楽しみに来ているので、周りのことは気にしすぎないで大丈夫です。

ただ、やはり演奏を聴いている時の集中を妨げられることは嫌うので、本記事で紹介するマナーをしっかり守るようにしましょう。

5. 何を考えながら聴けばいいの?

なんでも大丈夫です。本当に決まりはありません。

  • このフレーズかっこいいな
  • あの楽器の音すごく響きがいいな
  • 楽しそうな曲だな

自分がどう思うか、にフォーカスして、自由に楽しんでくださいね。

クラシック音楽のコンサートは怖くない!最低限のマナーを守って最高の音楽体験を

クラシック音楽のコンサートは怖くない!最低限のマナーを守って最高の音楽体験を

クラシック音楽を最大限楽しむために、最低限の守るべきマナーがあるのは確かです。とはいえ、それほど難しくないことばかりで、事前に知っていれば問題ありません。

クラシック音楽のコンサートは、手軽に非日常を味わえる、その上で日常を豊かにできる体験です。マナーを知り、守って、演奏に集中して楽しんできてくださいね、

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