「これ聞いたことある!」そうなるような、クラシック音楽の超有名曲をセレクトしました。曲の背景や特徴も簡単に解説するので、ぜひ併せてお読みください。
少し違った聞こえ方をするかもしれません。今回はピアノのソロ曲から室内楽曲(2人以上の少人数で演奏する形態)、オーケストラで演奏する曲まで、バラエティ豊かに収録しました。ぜひ楽しんでお聞きください。

1. W. A. モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調 K.525《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》より第1楽章
弦楽合奏(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス)で演奏される曲で、軽快で明るい曲調が特徴です。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」とはドイツ語で「小さな夜の音楽」という意味で、宮廷や貴族の夜会向けの音楽として作曲されたと推測されています。
この曲が作られた当時、モーツァルトは31歳。そして、父親の死の悲しみの最中にいました。悲しみの中でも創作を続け、同年には『ドン・ジョバンニ』という非常に有名なオペラも作曲しています。
有名な冒頭の華やかな響きと、弦楽合奏ならではの細やかで上品な響きを楽しんで欲しい曲です。
2. F. ショパン:ワルツ 第6番 変ニ長調 Op.64-1《子犬のワルツ》
1846〜47年、ショパンが36歳頃、晩年(ショパンの享年は39歳)に作られた曲です。
本作はショパンがパリで体調を崩しつつあった晩年期に生まれた作品で、恋人の飼い犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回る姿を見てインスピレーションを得て即興的に作曲したと言われています。英語圏では「Minute Waltz(1分間のワルツ)」とも呼ばれています。(「Minute」は本来「小さい」を意味する言葉)
冒頭には「leggiero」の指示があり、その通りおどけたように軽い雰囲気が特徴です。右手の軽快な音型は子犬が走り回る愛らしい風景を連想させます。
演奏者によって思い浮かべる犬の様子が違うのが面白い曲です。
3. E. エルガー:《愛の挨拶》Op.12
1888年、エルガーが31歳の時に作った曲です。当時の恋人との婚約を記念して作られたと言われています。
エルガーとその恋人は宗教の違いや身分差から周囲の反対に合っていたようで、それを乗り越えて実った婚約を祝ってエルガーはこの曲を恋人に捧げました。
ピアノの柔らかい伴奏に乗って、ヴァイオリンが穏やかで優美な旋律を歌います。情感豊かなフレーズも続き、ロマンティックに曲が終わります。甘く切ないヴァイオリンの主旋律と、寄り添うようなピアノの柔らかい伴奏をお楽しみください。
4. G. ロッシーニ:歌劇《ウィリアム・テル》序曲〜スイス軍の行進〜
運動会でよく聞く曲ですね。1829年、ロッシーニが37歳の時に作られた曲です。オペラ《ウィリアム・テル》が始まる前に最初に演奏されるのがこの「序曲」です。
物語自体は、スイスの独立英雄ウィリアム・テルの物語を扱った愛国的な作品。ロッシーニはイタリア出身ながら、フランス宮廷の求めに応じてパリでこのグランド・オペラを作曲し、初演は大成功を収めました。
実は、この序曲は本来4部からなり、それぞれ本編の場面を抜き出して表現しています。ここでは、特に有名な4部の「スイス軍の行進」をご紹介します。勇壮なファンファーレと弦楽器が刻む軽快な行進曲で、思わず走りたくなるような気持ちにさせる曲です。
終盤にテンポが上がり、突き進むクライマックスは圧巻です。
5. M. ムソルグスキー(M. ラヴェル編):組曲《展覧会の絵》より「プロムナード」
《展覧会の絵》は、展覧会の中のそれぞれの絵をイメージした曲が集まっている曲です。中でも「散歩」という意味の「プロムナード」は、絵から絵と展覧会場を歩き回るムソルグスキー自身の姿を表現した曲。
各曲の合間に合計5回(ピアノ原典版)登場しますが、今回ご紹介するのは、一番最初に演奏されるプロムナードです。
堂々としたトランペットのソロから始まり、強い旋律が奏でられます。実は拍子がコロコロと変わっているので、どこか不規則な感じがするのも特徴です。歩き回ったり立ち止まったりする様子を表現していると言われています。
広々とした美術館のホールに足を踏み入れたかのような開放感と高揚感をお楽しみください。
6. A. ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95《新世界より》より第4楽章
ドヴォルザークが52歳、アメリカでの生活や出会った音楽に大いに刺激を受けていた時期に作られた曲です。
「新世界より(From the New World)」という副題は、アメリカという新天地から故郷ボヘミアへのメッセージを込めたもので、ドヴォルザーク自身によってつけられました。
アメリカの黒人霊歌やインディアンの音楽にボヘミア(故国)の民謡と共通する魂を感じ取った彼が、それらの要素を取り入れて独自の交響曲を創り上げたと言われています。
冒頭は緊迫感のある序奏で始まり、一気に雰囲気が高まったところで、有名な金管による強烈な第1主題が提示されます。「新世界より」の名に相応しくスケールが大きくエネルギッシュな雰囲気が特徴です。
有名な冒頭が明けると、どこか懐かしく温かいメロディーが展開されます。ドラマチックで壮大な楽章です。
7. F. リスト:《愛の夢》第3番 変イ長調 S.541-3
1850年にリストが39歳のときに作曲・出版したピアノ独奏用の小品です。詩人ヘルマン・フライリヒラートの詞による3つの歌曲集《愛の夢》の第3曲「おお、愛しうる限り愛せ (O lieb, so lang du lieben kannst!)」が原型となっています。
当時のリストは、交響詩の創始や管弦楽作品の指揮・紹介など精力的に音楽活動を展開しており、一方で私生活では女性関係の清算や子供たちとの別離など、愛にまつわる苦い経験も抱えていた時期でした。そうした中発表されたこの曲は、タイトル通り夢見るように美しいがどこか切なさも滲む作品となっています。
冒頭はまさに愛の喜びに満ちた夢見心地の旋律。やがて徐々に転調しながら盛り上がり、感情が熱く高まっていきます。その後、最初のフレーズが再び表れ、消え入るように集結します。
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